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呂佳:出会い――つながる私とやまなし
21 December 2015 | By 呂佳 | SISU
皆さん、こんにちは。日本に留学する前に、いつも「日本料理はおいしいよ」と聞いていました。しかし、少数民族の回族である私は、イスラム教徒であり、豚肉を食べることができません。せっかく料理のおいしいと聞いていた日本にきても、毎日唐揚げや焼き魚などの同じようなものしか口にすることができません。豚肉が入っている日本でしか食べられない料理のおいしさを感じることのできない私はとても残念だと思っていました。
先月のある寒い日のお昼休み、時計を見ると食堂の終わりの時間が近づいていました。朝から何も食べていなかった私は急いで食堂に向かいました。食券販売機を見ると残っていたのは「ほうとう」というものでした。初めてその名前を聞いた私は食堂のおばさんに声をかけてみました。「あのすみません、ほうとうってどんなものですか。豚肉は入っていますか」と聞いて、「山梨県の名物だよ、豚肉は入ってるよ」と返事をしてくださいました。私はお腹がすいていましたが、「そうですか、私イスラム教徒で豚肉食べることができないです」と言って、食堂を出ようとしました。すると、おばさんは私を引き留めて、「特別サービスで、豚肉なしのほうとうを作ってあげるわ」と笑顔で言ってくださいました。出来上がったばかりのほうとうをいただいて、体中が温まりました。それと同時に、おばさんの心遣いが、私の心まで温めてくれました。その時はじめて自分の知らない料理に挑戦することができました。
一週間後、食堂で食べようと思い、メニューを選んでいました。どんな食材が使われているかわからなかったので、迷っていました。すると突然「今日の日替わりランチは豚肉なしで、あ、カツカレーも鶏肉だよ」と声をかけてくださる方がいました。その方は先週ほうとうを作ってくださったおばさんでした。最後に「こんなに遠い寒いところに留学してきて、本当に大変だ。毎日ご飯をちゃんと食べて、頑張ってね」と笑顔で言ってくれました。
その時の私は胸がいっぱいで、「覚えていてくれて本当にありがとうございます」という言葉しかできませんでした。その日から、食堂を快適に利用できるようになりました。
山に囲まれている都留市で、冬に入って、実に想像していたより寒かったです。しかし、おばさんのおかげで、山梨県の名物「ほうとう」に出会い、体を暖めることができました。それに、おばさんの「頑張ってね」という言葉が、冬の寒さに耐えるための元気をくれます。また、周りの人たちからの支えや言葉で、何とか頑張れる気がします。
ここで冬にちなんで、俵万智さんの「寒いね、と話しかければ、寒いねと答える人のいる暖かさ」という短歌があります。同じ場所で同じ気持ちになれたり、何気ない会話ができたりする幸せや温もりがこの山梨にはあります。ここに来て本当に良かったです。以上で、ご清聴ありがとうございました。

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