林少華教授
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林少華:莫言と村上春樹 相似相異の間
01 April 2015 | By ZHAO & X.M. | SISU
3月27日、本学の「思索フォーラム」が翻訳家、作家、学者である林少華教授を招聘し、講演会を開いた。ノーベル文学賞受賞者としての莫言はもちろん、村上春樹の作品も世界中で影響力を持っている。莫言と村上春樹、一見まったく違うスタイルの作家であるが、アジア文学において並列した二つの最高峰だと林教授は話を始めた。
林教授は、二人の作家の相違点について四つ挙げた。①農村と都市という出身の違い。②作品主題の違い。莫言は飢える少年時代を送り、『透明な人参』から出発した食物への欲を『酒国』まで最大限に表現した。一方、村上は自由、尊厳を表現した。③教養の違い。莫言は土地に根付く民族性であるのに対して、村上は自由などの世界共通性から出発した。④文体の違い。
表面的な違いの下に深層的な共通点が存在している。①同じく善悪の中間地帯に立つこと。②普通の人の語りと周縁的な立場。②民間物語、神話を取り入れた魔術的リアリズム。④ドストエフスキーを参考に総合小説を目指すこと。
その他、林教授は二人の作家に関して、侵略戦争を取り上げたこと、直接に政治への介入を避けること、それに文体の創新などにも触れ、今後の課題として残し、志す学生らを励ました。
質疑応答で、林教授は村上文学の限界についても指摘した。作品にはポストモダンと見られる要素があるため、個人の自由を追求しすぎて体制の意義、価値が解消されてしまう恐れがある。広く知られる『壁と卵』講演に壁と卵、つまり体制と個人の対話できる場所が築かれていないこともその一例と言える。
ほかに、林教授は翻訳、日本文化などに関する質問にも答えてくれた。
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