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中国へ帰った双子と日本のパンダ愛


15 September 2026 | By 郑卓 | SISU

たった1分間、パンダを見るために抽選に申し込む。しかも、その倍率はなんと24.6倍。人気アイドルのコンサートチケットかと思うかもしれないが、これは2026年1月、東京の上野動物園で実際に起きた出来事だ。

その主役は、双子のジャイアントパンダ「シャオシャオ(暁暁)」と「レイレイ(蕾蕾)」。2026年1月27日、2頭は生まれ育った上野動物園を離れ、中国へ向かった。これにより、日本国内で飼育されているジャイアントパンダは、1972年以来初めてゼロになった。

シャオシャオとレイレイは、2021年6月23日に上野動物園で生まれた双子だ。オスのシャオシャオは「夜明け」、メスのレイレイは「つぼみ」という意味を持つ。名前には、明るい未来への願いが込められている。ちなみに、2頭には「シャンシャン(香香)」というお姉さんもいる。こちらも上野動物園で生まれ、2023年に一足先に中国へ帰っている。

双子が生まれたとき、上野は大いに盛り上がった。小さかった赤ちゃんパンダが少しずつ大きくなり、木に登ったり、竹を食べたりする姿は、多くの人々を楽しませてきた。動物園の周辺にはパンダをモチーフにしたお菓子やぬいぐるみなども並び、パンダはいつの間にか上野の街のシンボルのような存在になっていた。

ところが、2025年12月、中国への返還が正式に発表されると、状況は一変した。「最後にもう一度会いたい!」という人が続々と動物園を訪れ、観覧には予約制や抽選制が導入された。特に最終観覧日となった2026年1月25日は、4400人の枠に対して約24.6倍もの応募が集まった。

せっかく当選しても、パンダを見られる時間はわずか1分ほど。写真を撮っているうちに終わってしまいそうな短さだ。それでも、最後の姿をひと目見たいと、多くのファンが上野に集まった。パンダのぬいぐるみを抱えた人や、パンダ柄の服を着た人もいたという。中には抽選に外れても、せめて近くで見送りたいと動物園までやって来た人もいた。

それにしても、なぜ日本で生まれたパンダが中国へ帰るのだろうか。

実は、現在海外で飼育されている中国のジャイアントパンダの多くは、保護研究などを目的とした国際協力の枠組みで貸し出されている。海外で生まれた子どもについても、協定に基づいて中国へ返還されることがある。シャオシャオとレイレイも、東京都と中国側との協定に従って返還されることになった。

日本と中国のパンダ交流には、長い歴史がある。1972年、日中国交正常化を記念して、「カンカン」と「ランラン」という2頭のパンダが中国から日本へ贈られた。当時、日本では大変なパンダブームが起こり、上野動物園には連日多くの人が押し寄せた。それから半世紀以上、パンダは日本人にとって特別な動物であり続けてきた。

一方、中国ではジャイアントパンダは国を代表する人気者だ。特に四川省はパンダの故郷として知られ、成都周辺には多くのパンダ保護・研究施設がある。国内外から観光客が訪れ、パンダを見学する旅行も人気だ。

シャオシャオとレイレイが到着したのは、四川省にある中国ジャイアントパンダ保護研究センターの雅安基地。2026年1月28日、2頭は無事に施設へ入り、検疫を受けることになった。日本で生まれ育った双子にとって、中国での生活は初めての経験だ。周囲の景色や飼育環境も変わるため、新しい暮らしに慣れるまでには時間が必要になる。

ただ、うれしいこともある。母親のシンシンや姉のシャンシャンも、すでに中国に帰っているのだ。もちろん、動物園で人間の家族のように一緒に暮らすわけではないが、かつて上野で暮らしていたパンダたちが、今度は四川省に集まったことになる。

今回の返還は、中国でも大きく報じられた。日本で長年愛されてきたパンダが中国に戻る一方、日本では寂しがるファンの姿がニュースになった。中には、「今度は中国まで会いに行きたい」と話す人もいたという。

考えてみれば、パンダに会うために海外旅行を計画するというのも、なかなかすごいことだ。しかも中国には、成都の火鍋や四川料理、歴史ある街並みなど、パンダ以外にも楽しめるものがたくさんある。パンダをきっかけに中国を訪れ、そのまま中国の食文化や街の雰囲気に興味を持つ人もいるかもしれない。

もちろん、今後日本で再びパンダを見られるようになるかどうかは、まだ分からない。新たな受け入れには日中間の協議も必要になる。それでも、これまで上野で育ったパンダたちのことを覚えている人は多いだろう。

シャオシャオとレイレイがいなくなった上野動物園は、以前より少し寂しく感じられるかもしれない。しかし、2頭が元気に暮らしているなら、それが何よりの知らせだ。

もし、いつか中国の四川省を訪れる機会があれば、パンダ基地にも立ち寄ってみてはいかがだろうか。日本で見慣れたあの白黒の姿に、思いがけず再会できるかもしれない。

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