マスコミ対応
SISU News Center, Office of Communications and Public Affairs
Tel : +86 (21) 3537 2378
Email : news@shisu.edu.cn
Address :550 Dalian Road (W), Shanghai 200083, China
関連情報
SNSで広がる「中華式ライフスタイル」のいま
08 July 2026 | By 劉蕊 | SISU

「中国人になる」――この言葉が、ここ数か月の海外SNSでひそかに、そして確かに広がっている。パスポートを切り替えるとか、国籍を変えるとか、そういう話ではない。むしろ逆で、外国の若者たちがカメラの前で真面目に「中華的な一日」を再現し始めたのだ。朝起きてまずやることはやかんで湯を沸かすこと。コップに注いで、ゆっくりと飲み干す。チャイナタウンで買ってきた綿のスリッパに履き替え、キッチンでお粥を炊き始める。ことこと煮込み、たくあんのような漬物を小皿に取り、箸で摘んで口に運ぶ。この一連の所作を、彼らは「今日の中華モード」と呼んでいる。
発端は、米国生まれの中国系女性、ジュー・シールイがティックトックに投稿した短い動画だった。「明日から、あなたは中国人になるよ」――半分冗談めかしてそう宣言したところ、その言葉は思いがけない波及を見せた。「# BecomingChinese」、「# NewChinese」、といったハッシュタグの総閲覧数は、いつの間にか40億回を超えている。北米から欧州、南米、さらには東南アジアに至るまで、人々が投稿する「中華的日常」は実に多彩である。昼過ぎに八段錦を練習する者、就寝前に熱めのお湯に足を浸し、額にうっすら汗を浮かべる者、くるみを手のひらで転がしながら「これで艶が出てきた」と悦に入る者。どれもこれも、中国ではごくありふれた光景だが、彼らのカメラ越しにはどこか新鮮な儀式のように映る。
もっと具体的な例を挙げれば、中華式ヘルスケアはとっつきやすいテーマとして人気を集めている。保温ボトルが登場No.1のアイテムになったのは言うまでもない。中には「産褥さんじょく養生」を真似してみる者もいる。実際に産後の女性ではないのだが、毛布にくるまり、エアコンを切り、ナツメヤシとクコの実を入れたお湯を飲みながら一週間ほど静かに過ごし、それを「身体の再起動」と呼んでいるのだ。また、中華式ヘッドスパーもブーム。あるユーチューバーは現地の中医学ヘッドスパサロンを訪れ、その工程を余すところなく撮影した。木の櫛で頭皮をマッサージし、ショウガのエキスを塗布し、タオルで蒸し、二十分後に洗い流す。彼女はカメラに向かって髪の毛を触りながら、「一本一本が起き上がったみたい」と驚きの声を上げていた。これらの習慣は、中国の街角では何気ない日常の一片にすぎない。だが、異国の若者たちのレンズを通すと、どこか神聖な生活実験へと変貌を遂げる。
なぜこれほどまでに広まったのか。理由は一つではないだろう。ティックトックやレッドノートのようなプラットフォームは、日常生活を細かく切り分け、誰でも真似できる短いムービーとして拡散させる力を備えている。「お湯を飲む」「スリッパを履く」といった微細な動作の背後には、おそらく現代の若者たちが抱えるある種の安心感への欲求がある。精神的な消耗や不安、不眠は、もはや世界共通の青春病だ。そんななかで、中華的な暮らしに流れる季節に合わせて整え、急がずゆっくりとという態度は、まるで優しい漢方薬のように響く。
これまで海外で語られる中国文化といえば、長城やパンダ、カンフーといった大きな記号に限られがちだった。しかし今回、人々の注目を集めているのは、そうした象徴ではなく、あまりに細かな生活の断片である。文化は鑑賞される展示物ではなく、身にまとい、飲み込み、髪の毛にまで染み込む何かとして受け取られている。英国のブランド評価機関が公表した2026年のソフトパワー指数では、中国の複数の項目がトップに位置したが、それ以上に興味深いのは、このソフトパワーが最も日常的な経路を通じて、各国の若者の生活の質感に溶け込みつつあることである。
もちろん、これは本当に中国人になることを意味しない。動画のなかには、お粥を焦がしてしまった者、くるみを転がしすぎて手がつった者、八段錦で手足がばらばらになった者はもちろんいる。そんな微笑ましい失敗もふんだんに盛り込まれている。その不完全さがあるからこそ、模倣は共感を伴うものになる。ジュー・シールイ自身もインタビューで語っているように、自分が発信するのはあくまで個人の経験と習慣であり、中国文化はあまりに広大だから、もっと多くの人がそれぞれのやり方で触れてほしい、と。
「中華」が、誰でも自由に取り出せる生活のレシピのように扱われ、異なる肌の色、異なる言葉を持つ人々がそれぞれのバージョンに仕立て上げていく。そのとき、文化のあいだの壁は驚くほど薄くなる。誰かがカメラの前でお茶を淹れ、その湯気を世界中の人々が目にした――それだけのことなのである。
マスコミ対応
SISU News Center, Office of Communications and Public Affairs
Tel : +86 (21) 3537 2378
Email : news@shisu.edu.cn
Address :550 Dalian Road (W), Shanghai 200083, China
