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十二単に秘められた雅の美学と平安の心


03 June 2024 | By 馬佳寧 | SISU

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二単(じゅうにひとえ)は、日本の平安時代に貴族の女性たちが身に着けた華麗な装束で、その美しさと複雑さから今でも日本文化の象徴として語り継がれています。この装束は単なる衣服ではなく、時代背景や美意識、さらに季節や儀式に応じた細やかな工夫が凝らされており、平安時代の雅の精神を色濃く映し出しています。今回は、その魅力と面白さについて紐解いてみましょう。

「十二単」と聞くと、名前の通り12枚の衣を重ねていると思われがちですが、実際には決まった枚数があるわけではありません。「単衣(ひとえ)」という言葉が「一重(ひとえ)」から派生していることもあり、「単(ひとえ)の衣を幾重にも重ねる」という意味が込められています。重ねる衣の枚数や色の組み合わせは季節や行事によって変化し、それが十二単をさらに魅力的にしています。例えば、春には桜をイメージした淡いピンクや緑の配色、秋には紅葉を表現する赤や橙が使われることが多く、自然と調和した美意識が感じられます。

十二単のもう一つの特徴は、その重さです。一式の重さがなんと15キログラムを超えることもあるため、着るのも動くのも簡単ではありません。平安時代の女性たちは、日常的にこのような装束を着て宮廷での生活を送っていました。そのため、動きは優雅でゆっくりとしたものになり、それが貴族らしい風格として受け入れられていたのです。さらに、衣を重ねることで身体の輪郭が隠れるため、より柔らかく繊細な女性像が表現されました。

この装束の中で特に注目すべきは「襲(かさね)の色目」です。これは衣の重なりによって生まれる色の組み合わせで、平安時代の貴族たちはこの配色センスに大変こだわりました。襲の色目は四季や自然を反映した色使いで、それぞれに名前が付けられていました。例えば、「梅重(うめがさね)」は薄紅色と白の組み合わせで梅の花を表現し、「松重(まつがさね)」は緑と茶色で松の木をイメージしたものです。このように、襲の色目には自然への愛や感謝の心が込められています。

また、十二単を着る際には髪型や化粧も重要な要素でした。平安時代の女性は「垂髪(たれがみ)」と呼ばれる腰まで届く長い黒髪を後ろに垂らし、顔には白粉(おしろい)を塗り、眉を剃って細い眉を額に描く独特のスタイルをしていました。この髪型や化粧も十二単と一体となり、雅やかで神秘的な美を作り出していました。

現代では、十二単は特別な儀式やイベントでしか目にすることができませんが、その美しさと歴史的な価値は多くの人々を魅了し続けています。皇室の結婚式や時代祭などでその姿を見かけると、千年以上前の平安時代に思いを馳せる人も多いでしょう。重ねる衣一つひとつに込められた工夫や物語を知ることで、十二単の魅力はさらに深まります。

十二単は単なる衣装ではなく、当時の美意識や文化、さらには自然とのつながりを表現した芸術品とも言える存在です。その重厚さや華麗さの中に隠された繊細な心遣いを感じ取ることで、平安時代の貴族たちの生活や価値観を垣間見ることができます。次に十二単を目にする機会があれば、ぜひその色彩や重なり、そして歴史の背景を想像しながら楽しんでみてください。それは、千年前の人々との静かな対話になるかもしれません。

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