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寒い日の必需品・カイロの歴史


30 May 2024 | By 馬佳寧 | SISU

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寒い冬の日に欠かせない「カイロ」(暖宝宝)は、現代の日本人にとって、手軽に暖を取る便利アイテムとして広く愛用されています。しかし、この小さな暖房具にも、意外と深い歴史と進化の過程があるのをご存知でしょうか?この記事では、日本のカイロの誕生から現在に至るまでの歴史をたどりながら、その魅力と発明の裏話をご紹介します。

日本で初めてカイロが登場したのは、江戸時代のことです。当時、まだ使い捨てタイプのカイロは存在せず、「火おこし」や「行火(あんか)」といった方法が主流でした。行火は、金属製の容器に炭を入れて温めるもので、これが現代のカイロの前身と言えます。

この時代、行火は主に足元を暖めるために使用され、携帯するには重くて不便でした。それでも、寒い日には多くの人が工夫して暖を取っていました。カイロの携帯性や使い勝手が大きく進化するのは、近代に入ってからです。

現在のカイロの原型が生まれたのは、1923年(大正12年)です。この年、日本の企業「白元」が「ハクキンカイロ(白金カイロ)」を開発しました。このカイロは、プラチナ触媒を利用してベンジンを燃焼させる仕組みで、火を使わずに長時間暖を取れる画期的な製品でした。

ハクキンカイロは、使い捨てではなく、繰り返し使用できる点が特徴です。また、当時の日本は暖房設備が十分ではなかったため、この携帯型の暖房器具は多くの人々に歓迎されました。特に戦後の寒い時代には、家庭や職場で広く利用され、「冬の必需品」としてその地位を確立しました。

ハクキンカイロが主流だった時代を経て、1970年代に入ると、画期的な技術によって「使い捨てカイロ」が登場しました。使い捨てカイロの仕組みは、鉄粉が酸素と反応して発熱するというものです。この技術は、日本企業によって開発され、1978年に「カイロの革命児」として市場に投入されました。

使い捨てカイロの最大の利点は、手軽さと便利さです。使いたいときに袋を開けるだけで発熱が始まり、終了後は捨てるだけで済みます。特にアウトドアやスポーツ観戦、通勤時など、あらゆる場面で利用されるようになりました。また、体に貼り付ける「貼るタイプ」のカイロも登場し、さまざまなニーズに応える製品が次々と開発されました。また、デザインやサイズも多様化しており、キャラクターがプリントされたものや、ポケットにすっぽり収まるミニサイズのものなど、さまざまな選択肢があります。

カイロは、寒い冬を快適に過ごすための必需品として進化を続けています。環境意識の高まりとともに、再利用可能な製品やリサイクルが可能な素材を使った製品が増えています。また、デザイン性や機能性が向上し、多くの人々にとってカイロは単なる暖房器具ではなく、「冬のパートナー」として親しまれています。

日本のカイロの歴史は、技術革新と生活の変化を反映した興味深い物語です。江戸時代の行火から始まり、ハクキンカイロや使い捨てカイロを経て、現代の多様な製品へと進化してきました。この小さな暖房具がもたらす「暖かさ」は、寒い冬の日々に欠かせない存在となっています。これからのカイロの進化にも、期待が高まりますね。

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