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梅雨


15 July 2022 | By 賈思遠 | SISU

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7月1日、知らず識らずに上海は「梅雨明け」を迎えた。筆者にとって、「また今年も梅雨が来たな」と意識することさえなく梅雨はもう明けてしまって、何処となく「あっけない」と感じた。

梅雨は5~7月に、中国の南部から長江にかけての沿海部、日本(北海道と小笠原諸島以外)などの東アジア地域に見られる雨が多い期間のこと。ちょうど江南地域の梅の実が熟する頃でもあるため、「梅雨・黄梅天」と名付けられ、「梅雨入り・明け」の意味で「入・出梅」が使用される。今年、上海の梅雨は入りも明けも例年より早く、降水量も格段に少ない。「存在感ゼロの梅雨」とも言われる。日本でも記録的に早い梅雨明けのために猛暑と水不足が続き、大変な夏になる様子。

通常、梅雨時期となると、連続の雨で空気がじわじわの感触となり、歩くだけで服が肌にべたついてしまい、息まで苦労に感じる。洗濯物も乾かず、カビも生えやすく、とにかく鬱陶しい気分になる。だから梅雨時期は上海の恐ろしさの一つだと筆者は思う。ところが、こんなにも嫌な時期のはずなのに、今年のようにすっかり感じなくなると不思議に欠落感が生じる。これが「季節感」なのだろうか。

上海で暮せば、初夏となっては必ず梅雨があることを覚悟しなければならない。しばらくして梅雨に入ったら、否応なしに散々濡らされ、雨の合間の晴れ(日本ではこれを「五月晴れ」と呼ぶそうだ)を大切にしながら、やっと徹底的な晴れを迎えて真夏の到来を知る。それを毎年のように経験していて、独特の季節感が培われていき、やがて「梅雨があってこその真夏だ」ということが体中に刻み込まれる。乾燥感、潤い、雨音、雨上がりに爽やかな土の匂い、一つ一つ五感の刺激によって我々の体は何が去っていったのか何が来ているのか知ることになる。現実から言えば、降水量や湿度の多寡で人間の活動は影響され、季節感はある程度それを反映したものである。感覚から言えば、いつもならしめじめとした空気で行われる行事が急に炎天下でせざるを得なかったら、やはり違和感が出ると思う。

梅雨なら梅雨で鬱陶しい気分になるが、まったく気づかずに梅雨とすり抜けてしまうと、そこそこ馴染みのある友人の呼びかけを、雑踏の中で聞きそびれたようで、無性にうら寂しさを覚える。季節感を大事に日々を過ごしましょう。

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