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春の「伝統色」を楽しむ


29 March 2022 | By 鄭星怡 | SISU

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虹色といえば、まず頭に浮かんだのは赤・橙・黄・緑・青・藍・紫という七色かもしれない。ところが、これらはあくまでも近代科学が発達してから、科学者たちが人為的に色をこう定めるに過ぎないという。実は虹を観察してみれば、色と色の間はあいまいで、明確な境目がなく、色が無限に変化していくことがわかる。ニュートンが虹の色を七色と決めたのは当時学問であった音楽の音階と結び付けたいと言われている。

もしかしたら、教科書で学んだ知識から影響を受けたせいか、今私たちはあるものの色を言葉で表す時はなにやら赤、青、黄など単調な色でしか表現できない傾向がある。実に惜しいことだ。中国であれ日本であれ、物の色を名付けるとき、色を厳密に定める西欧のほうとは違って、植物や動物、周りの自然現象からとられた色が多い。たとえば、中国語には“桃夭”、“月白”、“姜黄”のような色、日本語には「桜色」、「山吹色」、「若草色」「つつじ色」などのような色名がたくさんある。美しい響きと趣を持つこれらの色を、ここで「伝統色」という。

“桃夭”を例に挙げてみよう。初めてこの色名を見た人にとって、初春に咲くうららかな桃の花がすぐ頭の中に浮かんでくるのではないか。「桃の夭夭(ようよう)たる、灼灼(しゃくしゃく)その華(はな)」。「若々しい桃の花よ、燃えるようにたくさん咲くその花よ」という意味である。中国最古の詩集『詩経』の一篇「桃夭」からとった色名で、古典的な趣を持っている。

今よく言うピンク色とそれほど変わらないが、やはり微妙な違いがあるだろう。ピンク色ではなく、「桃色」というと、知らずらずのうちに大自然に親しみ、普段の生活は少し楽しくなったり、明るい気持ちになったりすることができるのではないか。

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