6月1日、第6回多言語リレー同時通訳コンテストの決勝戦が上海外国語大学で開催された。今回のコンテストは上海外国語大学創立75周年記念の行事の一つとして、国際大学翻訳学院連合会(CIUTI)と中国翻訳協会(TAC)の通訳委員会の指導のもと、上海外国語大学が主催し、高等翻訳通訳高級学院が企画して行った。

アラビア語の発言、まず中国語に同時通訳し、次にフランス語、ロシア語などに通訳される...... 上海外国語大学が2018年に創設した多言語リレー同時通訳コンテストは、国際初の中国語を「バトン」として行われる多言語リレー競技である。大会は国連や欧州連合(eu)などの国際機関で行われるリレー形式で、合わせて9つの言語で行われ、中国語をリレー言語として、アラビア語、フランス語、ドイツ語、日本語、朝鮮語（韓国語）、ロシア語、スペイン語、英語も含まれている。

「私たちは通訳の視点から国際交流における中国語の発言権を構築することを期待しています。」大会の設立者である上外高級翻訳通訳学院の李正仁院長は、「会議の言語を英語から他の言語へと通訳するのが国際的な慣例であるが、中国のグローバル・ガバナンスへの参加が進むにつれて、通訳専門の学生に中国語をリレー言語としての通訳モデルを身につけさせることは、わが国の発言力を高めるためにも、中国語の地位を高めるためにも非常に重要です。」と述べた。

リレー同時通訳は国際組織でよく使われる通訳の形式なので、今回の試合では実際の会議の様子もシミュレートし、選手たちの通訳の素質が試されただけでなく、心身の忍耐力もより高く要求された。今回のコンテストでは、オンラインでの試合と現場での決勝戦を組み合わせた方式で行われ、国内外の72の大学から過去最高の654人の選手が応募した。

予選では、上海外国語大学が独自に考案した「リレー同時通訳コンテスト予選テストシステム」が採用され、選手たちは「外国語から中国語に」「中国語から外国語に」の2ラウンドの同時通訳テストに参加し、最終的に25校128人の選手が決勝に進んだ。決勝は8回に分けられ、それぞれのラウンドで、選手たちは3回の同時通訳をし、そのうち、1回は外国語を中国語に通訳し、残りの2回は他の選手が通訳した中国語をリレー語として通訳した。決勝戦には合計48人のプロの審査員によって審査され、その結果、優勝8名（各言語ペア1名）、準優勝16名（各言語ペア2名）、第3位24名（各言語ペア3名）が選ばれた。

　国際連合ジュネーブ事務所会議管理局のRima Al-Chikh局長、国際大学翻訳学院連合(CIUTI)のBart Defrancq主席、国際連合ジュネーブ事務所人的資源局のNataliya　Myronenko副局長、国際大学翻訳学院連合会のLieven Buysse事務総長、国際労働機関の元通訳部門のIan Newton氏、李正仁氏がそれぞれ受賞者に賞を授与した。

閉会式では、Rima al-chikh氏、Bart Defrancq氏、中国翻訳協会常務副秘書長、通訳委員会副主任委員兼秘書長邢玉堂氏など多数の来賓がスピーチを行い、多言語同時通訳リレーの深なる影響力と意義を確認し、上外の長期的にグローバルな翻訳教育と通訳人材育成での探求と貢献も高く賞賛した。また、新しい技術と時代背景の下で、通訳者養成の今後の方向性と道筋についても意見を交わした。上外高級翻訳通訳学院の張愛玲院長は多言語同時通訳教育の実践プラットフォームを一層固めていくように努力し、兄弟学校と手を携えて通訳の専門交流を促進し、国際社会の中国語及び中国に対する理解を力を入れることを期待すると感謝の辞を述べた。

通訳実践のプラットフォームとして、6年目を迎えた多言語リレー同時通訳コンテストはますます成熟している。コンテストは「一帯一路」の質の高い発展に関する国家の提案に積極的に応え、国際的なコミュニケーション能力の構築と対外言語体系の構築を強化することに貢献する。また、中国語のリレー通訳の必要性と運用性をしっかりと固め、多言語共存の調和がとれた社会の構築と中国語の国際的な影響力の拡大にも力を入れる。