日本語専攻3年　陳　婉（都留文科大学留学中）

私は八ヶ月前に、山梨に出会いました。なぜ山梨に来たかというと、富士山が好きだからです。日本に来て初めて富士山の美しさを知りました。もちろん、日本へ来る前にも、テレビや写真で富士山を見たことがありました。しかし、この山がどうしてこんなにも日本人の心を捕らえているのか、私には分かりませんでした。

山梨に来てから、よく富士山を見ます。本物の富士山を見るようになって、なぜ富士山が人々に愛されているのか分かったような気がします。私がテレビや写真で見ていた富士山は山の形がはっきり分かる美しいものでしたが、本物の富士山は季節や天気で表情を変えるものでした。富士山は雲の飾りのかげで、毎日違う顔をしています。本当に感動しました。私も富士山に魅了された一人になりました。このような富士山は一生忘れられないと思います。

他にも山梨でたくさんのものに出会いました。

まず、山梨に来てから、穏やかな生活に出会いました。山梨はにぎやかな東京と接していますが、全く違うイメージでした。ここで毎日リラックスして生活しています。毎朝起きて、外の山を見て、鳥の鳴き声を聞いて、すっきりした気持ちになります。毎日、美しい大自然に囲まれています。日本一の富士山のとなりで、大自然の美しさを楽しみながら生活しています。上海外国語大学にいた時は授業があって、部活動に参加して、毎日忙しかったです。その生活と比べて、山梨の生活のほうがいいと思います。ここではそんなに忙しくないし、生活の質も高まりました。こんな穏やかな生活こそ自分がずっと追求していた生活でした。

次に、山梨に来てから、日本の方々の優しさに出会いました。日本の空港に着いた時に学校の先生が迎えに来てくださいました。先生の顔を見た時に今までの不安や緊張はどこかへ吹き飛ばされました。歓迎会では、日本の学生たちが私たちを親切に受け入れてくださいました。チューターの方々は私の疑問や問題を全て解決してくださいます。困った時や悩んだ時には、日本人の友達がいつも私のそばにいてくれます。

アルバイト先での生活も楽しかったです。私は富士山五合目でアルバイトをしていました。アルバイト先の方々はみんな優しくおもしろい方々でした。特に部長には、お世話になりました。本当に感謝しています。この山梨の方々に出会えて、本当によかったと思います。

最後に、山梨に来てから、自分の夢に出会いました。日本語の勉強を始めてから、私はずっと中日両国の掛け橋になる夢を持っていました。ここに来て、日本文化のいろいろな面に触れることができました。学校の授業ではいろいろな知識を勉強するだけでなく、日本人との交流を通して、日常の習慣も少し分かりました。山梨での生活のおかげで、自分の夢が一歩進み、揺るぎないものになりました。

人生の出会いは運命であらかじめ定められていることかもしれませんし、偶然なことかもしれません。しかし、どちらにしても山梨での出会いは、私の人生で忘れられない大切な思い出になりました。

今、もし、「山梨はどのようなところか」と質問されたら、私はきっとこのように答えます。「富士山があるだけでなく、私の思い出があるところですよ」と。
（添削：凌蓉　准教授）