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地下アイドル:極近い距離で紡ぐ青春の物語


14 November 2025 | By 盖旖旎 | SISU

「地下アイドル」という言葉を耳にすると狭くて暗い地下室で活動するアイドルなの?」と首をかしげる少なくないだろう実際、これはライブハウスなど小さな会場を拠点に活動するアイドルを指している。驚くかもしれないが、日本では地下アイドルやその予備軍がアイドル全体の約8割を占め、この業界を支えているのである。

地下アイドル最大の魅力は、なんといってもファンとの距離の近さにある。ステージと客席の距離が極めて近く、ファンはペンライトを振、コールを入れ、振付を一緒に踊ることで、ライブ全体が一体感に包まれるまた、テレビなどのマスメディアにあまり登場しないため、地下アイドルにとってSNSの活用するが欠かせない。ファンの投稿に「いいね」をつけたり、コメントに返信したりして、積極的に交流を図り、自らの魅力を直接届けている。ファンはアイドルがまだ未熟な状態から一歩ずつ成長していく姿を間近で見守り、自分の応援がその歩みに少しでも力になっていると実感できる。その「育成」への参加感が、ただステージを眺めるだけでは得られない特別な体験である。こうした関係は、一方的な推す側推される側を超え、まるで一緒に物語を紡いでいく共同体のようである

収益モデルにも独特である。大手事務所の後ろ盾がない地下アイドルは基本的に自力で活動資金を確保しなければならない。しかし、チケット収入の多くは会場や主催者側に回るため、実際の収入源は物販と特典会である。ライブ後に特典券を購入すれば、チェキ撮影やサイン、動画撮影、直筆メッセージなど、ファンと直接交流できる。最近、来場が難しいファンのためにオンライン特典会を行うグループも増えており、応援の形がより多様になっている。こうして、地下アイドルは「地下アイドル経済」とも呼ばれる独自のエコシステムを築き上げている。

とはいえ、この業界は決して甘くはない。地下アイドルの多くは、努力に見合った収入を得られるとは言い難い。活動を支えるのはステージへの情熱とファンとの強い絆だけにほかなりません。ファン側もまた、感情的な熱量と経済的な負担とのバランスを考えながら、推し活を続けています。グループの数は年々増え、競争は激しさを増している中。パフォーマンス力や話題性、ファンとの関係性をどう磨き、長く愛される存在になれるかは、生き残りの大きな鍵です。

さらに、メンバーの入れ替えが頻繁に起きるのもこの業界の特徴である。短期間で姿を消すグループもある一方、地下から地上へと飛躍を遂げた例もある。たとえば、2023年のNHK紅白歌合戦に出場したanoは、かつて無名の地下アイドルだった。また、地下アイドルグループiLiFE!は2025年8月、初の日本武道館ワンマンライブを開催し、大きな話題を呼んだ。こうした成功例は、多くの地下アイドルにとって希望の光になっている。近年、地下アイドルの波は日本国内だけにとどまらない。中国でも地下アイドル市場が急速に拡大している。

地下アイドルは、ただ夢を売る存在というよりも、ファンと一緒に夢を描いていく存在といえる。不確実な時代を生きる若者たちは、特別な物語や心の拠りどことを強く求めており、その思いが地下アイドルの人気を支える大きな要因になっている。もちろん、収益の不安定さや制度的な壁といった課題は多い。それでも、この世界には数字では測れない確かに温度と熱量がある。推しを応援する時間は、ファンにとって何代えがたい輝きの瞬間であり、アイドルにとってもかけがえのない青春そのものである。

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