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月明かりに祈る秋の実り:十五夜とお月見の歴史と風習


31 October 2025 | By 王珊珊 | SISU

秋の夜長を美しく彩る十五夜のお月見。ススキを飾り、月見団子を供えて満月を愛でるこの風流な習慣は、どのように生まれ、現代まで受け継がれてきたのでしょうか。その由来と歴史を探ってみましょう。

十五夜とは何か?

十五夜とは、旧暦(太陰太陽暦)の毎月15日の夜を指します。旧暦では1日が新月、15日が満月にあたることから、十五夜は満月の夜。特に旧暦8月15日の月は「中秋の名月」と呼ばれ、空気が澄んで月が最も美しく見える秋の絶好の観賞機会とされています。

新暦(太陽暦)を使用する現代では、旧暦と新暦の間に生じるずれにより、十五夜の日付は毎年変わります。2025年であれば、10月6日(月)が中秋の名月にあたります。

中国から日本へ:お月見の伝来

日本の十五夜の風習は、中国の伝統行事「中秋節」が由来です。中国では中秋節は家族団らんの象徴であり、月餅を食べたり提灯を飾ったりして祝います。

この文化が日本に伝わったのは平安時代(9世紀後半)。当初は貴族たちの間で楽しまれる風流な遊びでした。船の上で詩歌を詠み、酒盃に映る月を愛でる……そんな雅な宴が催されていたのです。百人一首に月を詠んだ歌が多いのも、当時の月への想いの表れでしょう。

庶民へ広がり、形を変える

お月見が貴族だけのものから庶民にも広がったのは江戸時代です。月の神様「月読命(ツクヨミノミコト)」が農耕の神様として信仰されていたことから、月を眺める行為は、その年の収穫に感謝し、来年の豊作を祈る「収穫祭」としての意味合いを強めました。

これが、現在まで続く「ススキ」や「月見団子」を供える風習へとつながります。ススキは稲穂に似ており、収穫の象徴。月見団子は満月のように丸い形で、収穫された作物への感謝の気持ちを表しています。

現代に受け継ぐ、月への思い

中国にルーツを持つ十五夜ですが、日本では「収穫への感謝」という独自の文化を育みながら、現代まで大切に受け継がれてきました。

年の十五夜には、夜空に輝く月を見上げながら、遥か昔の貴族や農民たちも同じ月を見つめていたことに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。月明かりが、日本の長い歴史と文化のロマンを静かに照らし出してくれるはずです。

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