大学に入学するのに16回も受験したということに、私たちはまだ驚嘆していると同時に、隣国の日本では、19年間も浪人を繰り返した「浪人生」もいる。

山田洋、1966年、鹿児島県鹿児島市に生まれ、10歳の時に父親を亡くし、母子家庭で育った。子供の時は活気にあふれ、社交的で楽しかったが、勉強に対する熱意はあまりなかった。

「いつも楽しくて、勉強はほとんどしなかった」。中学2年から個別指導を受けるようになり、成績は飛躍的に伸びた。塾に行ったおかげで高校に入学できるほど成績が伸びた。 高校には成績の良い生徒がたくさんいたため、彼の成績はあまりいいとは言えない。

高校はまた小学校と同じで、学業成績は良くなかったが、前向きで楽観的だった。柔道部に入り、クラブ活動にも積極的だった。学業のうち、英語の成績だけはいまだにだらしない。

山田さんはのんびりした性格で、授業以外はほとんど勉強しない毎日を送っている。 国公立大学に入学できたことを幸運に思い、最初の共通試験（国内の大学入試に相当）で鹿児島大学農学部畜産学科への入学を目指したが、1000点の630点しか取れず、願いはかなわなかった。

浪人の19年間、彼は1万5000円で7平方メートルほどのアパートに住んでいた。浪人中、物理の成績は伸びた。家計の都合で国公立大学しか選べなかったため、その年の予備試験では東京農工大学工学部電気電子工学科だけを受験したが、またしても不合格。

二浪目からは親に頼るのをやめ、新聞奨学生（新聞社が経済的に困難な学生に奨学金を支給する）として働きながら学費を工面することにした。しかし、朝は新聞配達、夕方には疲れ果てて帰宅するというタイトなスケジュールで、勉強する時間はほとんどなかった。

「新聞配達のために朝早く起きなければならないので、家に帰ったらそのまま寝てしまうことが多く、勉強する時間はほとんどありません。新聞奨学生といっても、学費は新聞社から出してもらっていたし、新聞配達の給料もあったので、気楽な気持ちで頑張ることができました。」

浪人2年目から成績は年々向上していったが、その進歩は大きなものではなかった。浪人生活が長くなるにつれ、より良い大学への進学を考えるようになり、東大一本に絞った。

山田さんは4浪目から苦手な科目を重点的に勉強するようになり、その結果、毎年着実に点数を伸ばしていった。毎年の点数の伸びはわずかだったが、長年の積み重ねが全体の成績アップにつながった。

東洋経済オンラインによると、19浪目、山田さんは2004年に受けたセンター試験で自身最高の770／900点を叩き出しました。この年も前期日程で東大を受験しますが、受験生活20年目にして初めて、後期で九州大学工学部電気情報工学科に出願しました。その理由は、自身ではなく、家族の状況の変化が大きかったようです。

「母親がもう高齢になっていて、19浪目の年に病気になってしまいました。それで、この年でもうそろそろ大学に入らないといけないと思い、初めて後期日程で出願しました。東大はこの年も不合格でしたが、九州大学には合格したので入学することを決めました」

20年間、受験生活を続けてきて初めて掴んだ大学の合格。喜びもひとしおかと思いきや、感動はなく、「ようやく区切りがついたか」という感じだったようです。

1浪〜19浪までずっと亀戸の4畳半の物件に住み続けた山田さん。彼は今、自身が大学に落ち続けた理由を「勉強が足りなかった」と振り返ります。

「東大に合格するための学力が足りなかったのは、勉強量が足りなかったことに尽きます。アルバイトをしながらの勉強だったので、毎年、センター試験の直前になると、夏休みの宿題を最後にやるように、慌てて勉強していました。でも、根を詰めてやらなかったからこそ、一回も勉強が嫌いにならなかった、というのはあると思います」

山田さんの浪人生活は、どんなに失敗してもあきらめなければ必ず立ち直れることを教えてくれた。山田さんはこの教訓を学生たちに伝え、その前向きな姿勢と人生への愛情が学生たちを大いに勇気づけた。