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日本人はなぜ欠けた茶碗を愛するのか?
16 July 2023 | By 劉康尭 | SISU
日本には茶道というお茶の楽しみ方があります。これはお茶そのものというよりも、“お茶を楽しむ空間を愛する” ということの方が意味が伝わるかもしれません。その中の大切なものの1つは「茶器」です。お茶を入れる茶碗について、今日はお話をします。
陶器でできた茶器は割れたり、欠けてしまったりすることがあります。そうなると価値なんてなくなるだろうと思われそうですが、実は逆。こちらをご覧ください。
金色の部分は割れて補修をした箇所。割れてしまったものを金などの金属を使って上手に接着しつつ装飾するもので、金継ぎとか、金繕いと呼ばれます。修復された器の継ぎ目が景色をイメージさせ、それが美しければ、割れる前より価値が上がるのです。
ここに日本独自の感覚、侘び、さび、というのがあります。完全なものは見たものそれだけで終わり。でも不完全なものは、自分の心の中で完成形を作り上げることができる。
また新品の器は美しいのですが、歴史を刻んできた器は先人達の想いや歴史がたっぷりと刻まれていてそれを想像するのが楽しい。
これは器だけに限りません。日光東照宮にある、陽明門という素晴らしい木彫り細工の門。
細工が細かく、数も多いため、見ている間に日が暮れてしまうということからこの名前がついていますが、1つだけおかしな点があります。12本の柱のうち、1本だけが逆さに設置されています。
これは間違えたのではなく、わざと逆さにしています。間違えた言い訳ではないですよ。
「完成されたものはあとは崩れて消えて行くのみ
未完成のものは完成するまで崩れない」
長年愛される門であって欲しいという思いから、あえて未完成にしたのです。
言葉も同じ。“愛している”と言ってしまったらそれで終わり。言葉では表せないぐらいあなたを愛しているということをわかって欲しいということです。
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