情報の繭（インフォメーションコクーン／information cocoons）という言葉は皆さん聞いたことがあるだろうか。情報の繭とは、情報発信において、我々の情報ニーズが全てを網羅している訳ではないため、自分が選んだものや自分が喜ぶコミュニケーションの領域にしか注目せず、時間の経過とともに繭のような繭に自分を縛り付けてしまうことになるということである。

たとえば、中国で最も人気のあるショッピングサイト「タオバオ」であるものを検索したら、それに似たような「おすすめもの」がその後に続々と出てきて、消費者の好みに迎合している。ネットショッピングだけでなく、動画アプリでもいつも自分の好みの動画が勧められる。

こういった現象をよく言えば、ビッグデータの発達によって生活が便利になったと言われるかもしれないが、悪く言えば、人々の想像力が制限されてしまう。同じような情報が限りなく流れてくるとともに、人々は無意識のうちに自分が作った情報の繭に縛られてしまい、他の領域についてまったく関心がなくなるのだ。これが長く続くと、自分の世界に閉じ籠り、実の社会への認識が歪んでしまい、一方的な考えが生まれやすく、実世界と離れる可能性が高まるかもしれない。

やはりできるだけ多くの人と接して、なるべく多彩な世界に触れてみれば、我々は井の中の蛙にならないと思う。