現代技術が発達した今の社会において、遠くの他人と繋がるのはそれほど難しくなくなる。たとえ見たこともない人と友達になるのも珍しくないことである。一つ一つの趣味を通じて多くの人の間で絆ができて、それで小さな島宇宙になる。ところが、異なる島宇宙に置かれる人々はまるで異なる世界にいるようで、互いに理解しがたい時もある。

このことから思い出したのは去年の流行語の「破圏」という言葉である。「破圏」とは文字通り枠を打ち破ることである。つまり、一部の人々の間で人気を集めた作品や文化が、その一部の枠組みを飛び越え、より多くの人々に受け入れられることを指す。たとえば、若者の間で流行っている動画サイト bilibili は近年ゲームやライブ配信など様々なサービスを試み、より多くのユーザーを増やすことを努める。それで、ビリビリはもとの二次元愛好者だけでなく、二次元以外の様々な分野の人々を引き付け、大きく発展した。しかし、古参ユーザーにとって、自分の圏層は昔と比べて純粋でなくなると不満な声があげられる。 やはり一つ一つの島宇宙にとって、外界と繋がりたい一方で、排斥性ももっていると思われる。