「ダブル１１」（１１月１１日のネット通販イベント）にはまだしばらくあるが、10月20日午後8時にて、予約販売はすでに始まっている。多くの消費者が「熱狂」を迎えている。大手の商業施設や京東・快手・Tik Tok・タオバオといったプラットフォームがイベント開始のプレセールを次々打ち出し、ネット全体に爆買いの大きなウネリが起きている。今年の「ダブル11」の「最大の主役」も昨年と同じ、ライブ配信で商品を説明、販売するライブコマーサーたちだ。ライブ配信コマーサーのトップである李佳琦と薇娅による予約販売取引額は合計200億元（約3543億円）も突破した。「ダブル１１」のイベントは爆発的に広まったと言えるだろう。

11月11日はもともと、1が4つ並ぶため、恋人のいない中国の大学生が「バレンタイン」に対抗して「独身の日」としたのが始まりだった。阿里巴巴（アリババ）集団はそこにビジネスチャンスを見出し、「独身の日」をネット通販イベントの日にした。そして、各大手ECプラットフォームが同イベントを開催するようになり、多くの消費者が事前に商品を「買い物かご」に入れておき、ダブル11の開幕を待つようになっている。

2009年「ダブル１１」イベントが開始以来、中国のEC市場の成長は驚異的である。中国ではもともと人口が多く、ECサイトの利用者も少なからずいる。近年では国の発展に伴い、取扱商品の種類や数も増え、配送速度などのサービスも完備され、ECサイトの利用者と利用率もどんどん上がっている。さらにライブ配信を通じてインフルエンサーの説明によって消費者の購買意欲が煽られている。

この中国発祥のネット通販のお祭りは往年日本にも様々なイベントが見られ、「11」の日本語読みから、この日は「いい買い物の日」と名付けられている。グローバル化の加速につれ、中国の電子商取引文化が日本をはじめとし、世界へと広がりを見せている。