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長寿を祝う伝統的な日、重陽節
04 November 2021 | By LIN | SISU
「登高」している人々(人民網より)
「重陽」の由来
重陽節の由来に関して諸説あるが、古代中国の占いの集大成である『易経』により、数字「九」は「陰陽」の陽の属性を備えたものであり、九と九が重なれば「陽」が極まり、大変良い日であるため、祝日となったというのが代表的だ。20世紀の80年代頃、「九」は中国語で「久」と発音が同じため、陰暦9月9日は中国の一部の地域で長寿を祝う日となり、徐々に中国政府もそれを認め、2012年に十一回全国人民代表大会常委会第二十七次会で陰暦9月9日を「重陽節」、高齢者のための日と正式に定めた。
「重陽」の風習
陰暦の9月9日は「陽」が高まり、「陰」が衰える日とされるため、淀んでいく濁った気を遠ざけ、高く昇っていく清らかな気を追い、山や高楼に登るという「登高」の習わしが古くから伝わってきた。家を出て、山などの高い場所に登ること自体が秋の澄み渡った空気を満喫し、体を鍛えることになり、特に高齢者にとっては素晴らしい伝統だ。
「登高」している人々(人民網より)
ほかにも、重陽節に茱萸(グミ)を身に飾ったり、菊の花を観賞し、菊酒を飲んだり、「重陽糕」という菓子を食べたりする風習がある。高齢者の健康を祈り、秋の美を楽しむという古代の人々の思いが受け継がれている。
茱萸(グミ)
また、香港やマカオでも重陽節に祖先の墓参りをするという風習があるが、それは本土ではあまり行われていない、地域独特な風習のようだ。
高齢者と向き合う
一方、現代社会では高齢化が避けて通れない問題となっている。中国の民政部(日本の総務省に相当する)の養老服務司副長李邦華によると、2035までの期間で、中国の高齢者人口が3億台を超え、中度の高齢化社会を迎えると見込まれている。日本でも、総務省の2021年最新の統計では、日本の総人口は前年と比べて減少している一方、高齢者人口は3640万人と29.1%を占め、過去最多となっている。重陽節ならもちろん、普通の日々でも家族や身の周りにいる高齢者たちに気を配り、向き合って話をすることこそ大事だと筆者は思う。
最後に唐の時代の有名な詩人、杜牧が友人と「登高」したときに書いた詩「九日齐山登高(九日斉山に登高す)」を紹介する。中には山や菊という秋、「重陽」に関する語句が多く見られる。
九日齐山登高 九日斉山に登高す
江涵秋影雁初飞,与客携壶上翠微。 江は秋影を涵して 雁初めて飛び
客と壺を携えて 翠微に上る
尘世难逢开口笑,菊花须插满头归。 人世口を開いて 笑うに逢い難く
菊花須らく 満頭に挿して帰るべし
但将酩酊酬佳节,不用登临恨落晖。 但だ酩酊を将って 佳節に酬いん
用いず登臨して 落暉を恨むを
古往今来只如此,牛山何必独沾衣? 古往今来 只此くの如きのみ
牛山何ぞ必ずしも 独り衣を霑さんや
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