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江戸川乱歩を地理で読み解く


曜日:土曜日

時間13:1016:35   途中休憩をはさみます。

日程:全20720日 ~ 0727日   

(日程詳細)  07/20, 07/27

目標

江戸川乱歩の作品世界の読解を通して、日本近代文学に対する理解を深める。

日本の探偵小説史についての知識を身につける。

文学と人文地理学の学際的研究のありかたについて学習する。

 

 

講義概要

江戸川乱歩の主要な小説を読み込み、物語の舞台となっている土地について、その風土と歴史民俗等がどのような効果を伴って文学テクストの中で扱われているかについて考える。

特に、明治から昭和前期にかけて鉄道網が日本全国に張り巡らされ、「旅」が大衆娯楽にとって重要な割合を占めるようになった時代に、〈地方〉と〈中央〉という構図が人々のまなざしを画一化していった次第を、乱歩作品を丁寧に読み解くことで跡付けていく。

さらに、海外ミステリの影響を受けた日本の探偵小説が、海外の風景を実際の日本の風土に重ね合わせて翻案化していった過程をも作品から読み解き、比較文学文化の視野から「文学の風景」を考えていく。

※下記3冊の内容を中心に講義します。参考図書としてお読みいただけますと理解が進みます。

『江戸川乱歩短編集』『江戸川乱歩作品集Ⅰ』『江戸川乱歩作品集Ⅲ』(全て、岩波文庫)

 

 

各回の講義予定

日程

講座内容

1

07/20

名探偵のいる風景――「D坂の殺人事件」「黄金仮面」「怪人二十面相」など

名探偵というキャラクターが登場するには、背景に文明都市という舞台が必要である。それはなぜなのか?

江戸川乱歩の生んだ不朽の名探偵・明智小五郎が登場する代表作品を精緻に読み込み、戦前/戦後のモダン都市文明と探偵小説史のリンクを追求する。

2

07/27

島と海の風景――「パノラマ島奇譚」「孤島の鬼」など

江戸川乱歩は長らく「東京を主に描く作家」と誤解されてきた。しかし近年、乱歩が日本全国を旅してまわり、その旅の記憶を作品に溶かし込んでいることが注目されてきている。

三重や和歌山の風光明媚な土地を背景にした作品や、長崎・長野の観光地を効果的に扱った作品など、意外に地方色豊かな乱歩文学を読み解いていく。

その観点からは、文学言説の裏側にある〈地方〉と〈中央〉というまなざしの構図が浮上し、文化の往来・伝播の様相を導き出すことができる。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は83()を予定しています。

 

 

講師紹介:小松 史生子  早稲田大学教授

東京都生まれ。博士(学術、東京大学)。専門分野は、日本近現代文学文化。1819世紀の探偵小説ジャンル研究を中心に、大衆文学文化の領域を幅広く研究。ミステリや怪談に関する評論も手掛ける。メディア研究の一環で、テレビラジオの番組審議員も勤め、NHK番組出演も多い。

申し込み江戸川乱歩を地理で読み解く | 小松 史生子 | [公開講座] 早稲田大学エクステンションセンター (waseda.jp)

 

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