既にゴールデンウイークに入った日本では、今年は飛び石連休で六日間も休める素晴らしい一週間になるが、中国でも今年の労働節連休は週末を挟んだため、例年と違って五連休になっている。今年の五連休の最後の日の５月4日はもともと祝日ならぬ重要な記念日でもある。それはすなわち五四運動を記念する「五四青年節」だ。

青年節とは

1919年の１月、第一次世界大戦が終結し、戦勝国と敗戦国の責任や利益をめぐってパリ講和会議が開かれた。しかし、当時の中国が戦勝国であるにもかかわらず、ドイツが侵略によって獲得した山東省の権益を中国に返還せずに日本に譲渡するという理不尽な結果になった。国をさんざん侵略され、恥辱の不平等条約を何度も課せられた中国の人民はそれでも妥協しようとする軍閥政府に憤った。嚆矢を放ったのはまだ青年の歳をした北京の学生たちだった。彼らは大きなデモを行い、各地の学生もこれに呼応して全国的な抗日・反帝運動を繰り広げた。デモでは多くの学生が逮捕されたが、彼ら応援するために、労働者たちもストライキをはじめ、どんどん規模を広げていった。その結果、政府は最終的に学生たちを釈放せざるを得なくなり、ヴェルサイユ条約の調印も拒否した。五四運動は自らの国を救うために、青年たちが主役を担った社会運動であり、中国の革命歴史にとっても非常に大きな価値を持っている。

以上、筆者が紹介したのはほんのあらすじに過ぎず、五四運動の影響と規模が非常に大きいため、興味を感じた方は是非図書館などで調べていただきたい。中華人民共和国成立後、五四運動を記念すべく、５月４日は政府によって正式的に「青年節」に定められた。

現在の青年節

今の「青年節」は記念日であり、過去の青年たちの努力が忘れられないように、学校では五四運動の歴史をテーマにしたイベントが多い。また、この日の主役は青年であるため、青年たちがアイディアなどを語り合えるフォーラムなどが行われるほか、立派な成果を上げた青年の学者、労働者などの表彰式も通常青年節の前後に行われる。中国共産主義青年団の入団儀式もよくこの日に行われ、筆者自身も2011年の青年節に上海龍華烈士陵園で入団の誓いをしたことを覚えている。

当時の青年たちは民族の存亡の危機を目の前にしたため、デモやストライキといった強めの手段を選ばざるを得なかったが、今日の青年たちはその精神を受け継ぎ、国の明日のために努力することこそ重要だと思う。